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INTERVIEWS WITH INVESTORS

(2015/10 取材)

国が変わったのかというくらい、今は資金調達方法が多様

長南 エンジェルだと大体、何%株式を持つイメージですか。

松本 2〜3%じゃないですか、多くても。

長南 もし経営に参画すると何%ですか。

松本 もうレンジが変わりますよ。5〜10%くらいまでは見ます。

長南 生の株式と潜在株式の両方を入れて、ということですね。やっぱり株の話になると目つきが変わりますよね(笑)EXITバリューとしては100億円以上とか、そういう感じですか。

松本 それはむしろ自分でやらなきゃいけなくなるんじゃないですか。

長南 自分で引き伸ばせるとしたら、それくらいのシーズのある会社を応援したいと。

松本 そうですね。

長南 前回enishとザッパラスって在任中だと時価総額で、MAXで300億円くらいですか。

松本 370〜380億円位じゃない。enishも360億円とか。同じくらいですよ。

長南 そこまでの道筋は見えるってことですかね。

松本 どうだろう。その時の地合いとかセクターの環境によると思うのですけど、300億円を超えるのは結構、私の中では目標ですよね。300億円が一つのベンチマークみたいな。機関投資家とちゃんとした対話ができるようになるのが300億円なので、そこはすごくこだわります。だから、300億円以上ならいくらでも。

長南 1,000億円とは言わないですよね(笑)

投資家インタビュー Vol.7 元enish取締役CFO松本浩介氏 国が変わったのかというくらい、今は資金調達方法が多様

松本 1,000億円でも別に、やることは変わらないと思いますよ。でも、1,000億円となるとちょっと、プロダクトとか経営者だけの問題ではなくなりますよね。それなりのセクターのマーケットがないと、1,000億円はやっぱりつけられない。

長南 学生の時のベンチャーやその後の上場会社にいて、今のベンチャー企業を取り巻く環境についてどう見ていますか。

松本 極めて良いですよ。自分の20代の頃と比べるともう、国が違うのかっていうくらい良いですよ。まず、資金調達方法が多様にある。もう最大のメリットです。クラウドファンディングとか、昔は想像もできなかった。ありえないですよ、私たちの時なんか。ああいうのが仕組みとしてもうまず認識されているとか、エンジェル投資家がいるとか。私たちの時代の時のエンジェル投資家って金持ちの親父さんくらいしかいなかったからね。

長南 昔だから、エンジェル投資家とは言われてないのでしょうね。パトロンとか、そんな感じ。

松本 そう。だから、事業を見てない場合もある。人を見て出すっていう。だから、ある面借りやすいのですけど、ある面ややこしい、みたいな。事業を見てくれてないから、事業が育ったからといって評価してくれるわけでもない。だからそういう意味では、正統な資金調達メソッドが沢山あるっていうのはもう極めて良いこと、羨ましい。もし自分が20代の時に今の環境だったらやりようがいっぱいあったでしょうね。リョーマの時の環境がこれだったら、暴れ放題、暴れていますよね(笑)

なるべく早くやった方がいい。国が応援してくれている

長南 松本さんは学生時代にベンチャーで働かれて、色々な経験を経てから大企業の経営者に28歳の時に入りましたが、起業の仕方としては学生起業でいくのが良いか、それともちょっと2〜3年大企業に勤めてから起業するのが良いのか、どちらが良いっていうのはないと思うのですけど、自分だったらどうしますか。

松本 やるのだったら早い方がいいですね。

長南 それはもう学生から。

松本 はい。

長南 そしたらもう大学1年生の時からリョーマみたいなところでビジネスの練習をしていって、そのまま起業していった方が良いって感じ。

松本 良いと思います。大企業に行くことのメリットが自分の中で解が出ていない、行ってないからね。

長南 だけど一応、JRで学んだじゃないですか、組織の論理みたいなものは。大企業というある意味で特殊な稟議体制の。

松本 BtoBモデルをやるのだったらありかもしれないですね。私はどちらかと言うとBtoCしかやってないので・・・

長南 そういうことですね。コンシューマービジネスだとあまり大企業と付き合うこともないですよね。

投資家インタビュー Vol.7 元enish取締役CFO松本浩介氏 なるべく早くやった方がいい。国が応援してくれている

松本 付き合うことがない。でも、それは社会人としてのマナーっていうか、誰でもできますよ。

長南 誰でもできないとは思いますよ。名刺の渡し方一つにしても。多分、松本さん色々やってきたから。

松本 まぁ、そう。でも、学生起業やっていたら何らかの社会的コミュニケーションが必要になるわけじゃないですか。これはもう社会人だから、学生だから、ってあまり関係ないですよね。それで取引した以上は、失敗したら自分のミスになるわけなので、相手も厳しい条件を出してくるし、厳しいコミュニケーションをしてきますよね。それをやるのだったら、別に大学からやっていても良いじゃん、みたいな。結局失敗するにしても早いほど良いと思います。私達の時と最大限違うのが、20代の内に失敗しても復活できます、今の日本ではね。これはもう全然違います。

長南 個人保証とか、創業時には特に今は外れたりしていますからね。

松本 そうですね。そういうマーケット環境が作られているのは事実だと思います。まぁ、20代の若者に個人保証で貸せる範囲って知れていると言えば知れているんですけどね。

長南 だけど、真田さんとか玉置さんって、2億円くらい借りることができたのですよね。

松本 そういう場合もあります。その時には売上が普通に月商1億円とかあったわけだから、借りることができました。「ちょっと個人保証だけ入れといてください」みたいな。一番体力がある時じゃないですか、20代の時って。そこはあまり無駄にしない方が良いかな、っていうのはすごく思いますよね。失敗しても這い上がれるから。あと、20代にそこまで重い責任課さないから、今の日本社会。起業家を応援する風潮もあるし、国が推奨しているし。

長南 経営者保証外すし。国からファンドにも入れたりしていますからね。

松本 だったら早くやった方が良いですよ。やりたいことがあれば、是非。

長南 自分の子供も学生時代に起業させますか。

松本 それでも構わないです。

長南 それは「俺が応援してやるから」っていう感じですか。

松本 うーん。まぁ、それは分からないですね(笑)その場合は経営者だけでなく、親の躾とかが入ってくる場合があるので、「お前、それはあかんわ」みたいな。なので、他に預けますよね。自分で見たら、やっぱり「親」になっちゃうじゃないですか。

投資家インタビュー Vol.7 元enish取締役CFO松本浩介氏

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