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2015/10/01

IPOを考えたときに経営者が
思い描くべきタイムスケジュール

IPOを考えるタイミングは各企業や各経営者によって違いはありますが、いざ「IPOしよう!」と意思決定してからのやるべきことは数多くあり 、 どのタイミングで何をすべきか、どのような組織を段階的に作っていくべきかを漠然とでも理解してからスタートとするのとしないのとでは雲泥の差が生まれます。 時間を巻き戻すことはできないので、生のIPOスケジュールを理解しているプロジェクトマネージャー(PM)の存在が必須と言えます。

ある程度の規模感のあるいわゆる中堅企業については、それなりの組織はできているので、 ヒトの問題よりも過去の遺産をどう処理するかが論点になることが多いです。 一方で、社歴の浅いベンチャー企業については、設立当初からIPOを目指して組織化を考えていない限り、エンジニア中心の組織となっていることが多く見受けられます。 この場合、あるべき管理フローがなく、管理人材の採用を行っていないため、 組織化と財務・経理・法務面などが手薄となっていることからこれらの点をどのように整理していくかが論点になるケースが多いです。

中堅企業においては、比較的社歴が長く、社員数も多く、在庫を保有する、子会社などが存在する会社がイメージされます。 この場合、想定されるTo Doのスケジュールは以下のように考えられます。

直前々期以前

  • 資本政策の立案
  • 関係会社の管理体制の充実、整理(特に、海外は優先事項)
  • 関連当事者取引の整理
  • 売上フローの確立
  • 仕入フローの確立
  • 原価計算制度の確立
  • 在庫管理体制の確立
  • システム変更

これらについては、整備するだけでも相当な時間と労力を要することが多く、経営的な観点や税務的な観点だけでなく、金融機関対策や同族関係者の感情論の世界もあるので、少なくとも半年から3年程度を想定しておくと良いです。
直前々期からは、整備されたものを起点として、運用を継続的に行うことが必要となります。

ベンチャー企業においては、比較的社歴が短く、社員数も限定され、在庫を持たない、1社だけが存在する会社がイメージされます。この場合、想定されるTo Doのスケジュールは以下のように考えられます。

直前々期

  • 資本政策の立案
  • 売上フローの確立
  • 仕入フローの確立
  • 原価計算制度の確立
  • システム変更

直前期

  • 取締役会の設置(取締役会設置から上場申請までに1年間必要)
  • CFOの採用(直前期の早い段階)
  • 常勤監査役の選任、非常勤監査役の選任
  • IR人材の採用(主幹事証券会社の上場審査に間に合うとBEST)

これらについては、時間や労力はそれほどの手間はかからない可能性がありますが、企業の成長スピードや収益体質が整わない状況でヒトの採用が必要となることから、タイミングについてはどこまで堪えて採用しないか、または、多額の資金調達を行いその資金力をもって優秀なヒトの採用を行い一気に進めていくかの見極めが重要となります。

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